大抵のマンホールは大きさが
600Φ
になっています。
これは、メンテナンスのために人が入りやすいのと、排水ポンプの
入れ替えのためにポンプ本体が出し入れできる大きさを確保している
ためです。
しかし、施工の観点からは、ピット内部の基礎梁や最下階床の型枠材を
コンクリート打設後に搬出しなければなりません。
型枠材は、600x1800mmまたは900x1800mmのパネルがありますが、
通常は900x1800を使用します。
搬出する際は、マンホールとは別に型枠出し用の開口を設けて型枠材を
搬出し、後から開口をコンクリートで埋めていきます。
地下階がある建物などは、最下階が設備機械室になっている場合が多く、
床仕上げもコンクリート金ゴテ押さえのままという仕上げで、あとから
埋めた開口部がはっきりと残ってしまいます。
そこで、型枠大工業者と事前に打ち合わせをして600x1800の型枠材を使用
するようにし、マンホールの径を600Φでは搬出できませんが、650Φに
変えることができれば、床の開口を開けることなくマンホールから型枠を
搬出することができます。
650Φのマンホールは、特殊な形状のものでなければ各メーカーのカタログに
載っています。
(カネソウカタログより抜粋)
型枠をマンホールから搬出できれば、床の開口を塞ぐ手間も削減できます。
コスト的には650Φに変更することで、定価ベースで10,000円ほどの開きが
ありますが、実勢価格ではもう少し格差がない状況です。
後から開口を塞ぐ手間と、安全上の開口部落下養生をする手間を考えれば
コスト的には増減がなくなります。
マンホールの径を変えるには、設計側の了解が必要ですが、
・床が綺麗に仕上がる
・マンホールの開口が大きくなり、出入りがしやすい
ということを考えると十分なメリットはあります。
TF
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