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2023年4月28日金曜日

『入り巾木』とあったら要確認

 軽量間仕切りで、意匠的に巾木を1段落とす『入り巾木』というのがあります。

見た目を格好よくするデザインですね。

しかし、軽量間仕切り壁は性能で認定をとっているものが大半なので、一般壁以外の

部分は『入り巾木』をするために1枚余分に増し張りをすることになります。

1枚張ることで前出の「壁目地」は仕様壁に関係なく設けることは可能になりますが、

やはりコストが気になりますね。

仕上げ表で『入り巾木』と歌っているのに設計図の平面詳細図で増し張りが表現されて

いなかったり、仕上表の特記事項で言葉で『入り巾木部分は12.5㎜の増し張りを行う。』

と一文のみが書いている場合もあります。

後から見積もり落ちとならないように『入り巾木』という文字を見たときは、範囲や

その部分の壁種類をまずは確認をしましょう。

T.F

2023年4月27日木曜日

軽量間仕切り 壁目地の注意点

軽量間仕切り壁は、ボードにクラックが入らないように建具開口部(建具枠の上部両側)

や軽量間仕切りの種別が変わる部分に目地を入れます。

              吉野石膏(株)カタログより

目地の入れ方は、

・2枚張りであれば上張りを3㎜~5㎜目透かしにして張る。

・ボードのベベルエッジを利用して突きつけにしてそのまま現しにする。

等の方法がありますね。


しかしここで気を付けなければならないのは、一般間仕切りであれば問題ないのですが

防火区画壁や遮音壁は目地の部分でボードの性能が満たされなくなってしまいます。


              吉野石膏(株)カタログより

吉野石膏さんのカタログを見ると、目透かし仕様として歌っているものがあります。

あくまで個別認定を受けた工法なので、例えばA-2000シリーズでも千鳥仕様の目地仕様

の認定はありますが、敷目板の仕様はありません。

耐火性のみで見ると、S-12は目地仕様がありますが、構造認定の準耐火システムの仕様には

目地仕様はありません。

遮音壁(遮音耐火壁)を見ると、目地仕様があるのはTLD値が56の壁までで高遮音仕様の

壁には目地仕様がありません。

どの壁種類でも目地仕様があるわけではないようです。


設計図の壁種類を見たときに、目地仕様があるか否かを確認して目地が入れれる部分、

入れれない部分というのも注意する必要がありますね。

T.F



2023年4月26日水曜日

鉄骨階段の支持方法

鉄骨階段の梁との接合方法は、主に2種類(ボルト接合、溶接接合)になるかと思います。

接合の方法によって階段受けの梁レベルも異なっています。

それぞれの特徴を簡潔にまとめてみました。


【溶接接合】

内部階段で主に採用されている方法です。

レベル調整ボルトがセットされているので階段の取り付け精度が良い。

階段は鉄骨建て方終了後、基準墨から位置を追い出して固定するので

 取付位置の精度はほぼ図面通りとなる。

×鉄骨建て方時は一旦、梁の上に置くだけの不安定状態になってしまう。

×鉄骨を建て始めてから階段を固定するまでに時間を要する。

・受け梁の天端は、大体踊り場天端から-150程度。



施工精度から内部階段で壁仕上げと近接している階段では溶接接合が良いと思われます。


【ボルト接合】

外部階段やメンテナンス階段で一般的に採用されている方法です。

(外部階段はメッキ仕様が多いので、ボルト接合が必然的になってきます。)

鉄骨建て方と同時に階段をボルトで固定できるので安全性は高い。

本体部の鉄骨本締めが終われば階段もボルトで固定できる。

 ×鉄骨精度なりに階段も固定されるので、精度は建て方精度に影響される。そのため

 壁との取り合いにクリアランスがないと壁位置に影響してしまう。

・受け梁の天端は、ササラ下端-10程度、またはウェブ側でガセット取り。



 施工時の安全性や施工手間を考慮すると、内部階段でも避難時にしか使用しない

 裏方で壁とのクリアランスが確保できる階段や鉄骨が現しとなる階段ではボルト接合でも

 問題なさそうですね。

T.F

2023年4月25日火曜日

アンカーボルト 配筋検討時の確認事項

 基礎配筋などでアンカーボルトと梁主筋が干渉している場合に、梁主筋も避けようがなく

試行錯誤を繰り返して何とか納めたという経験はないでしょうか。

アンカーボルトでもハイベースなどの露出型固定柱脚工法や、在来といわれる基本的には

1本ずつ固定するものがあります。

露出型固定柱脚工法はボルト径も太いものが多いので配筋納まり検討では苦労しますね。

しかし、配筋が納まらない時に、アンカーボルトの位置をずらすというのも納めるための

方法の一つです。


アンカーボルトには、『構造用アンカーボルト』と『建て方用アンカーボルト』が

あります。

構造用アンカーボルト』は耐力を負担し、柱と基礎をつなぐ役目をします。

ハイベースなどは、径が太く本数も多くなります。

建て方用アンカーボルト』は、名前の通り、鉄骨の柱を立てるときに倒れないように

支持する役目をします。通常は建物の構造耐力を負担しません。そのため本数は少なく

径も細くなります。建物としてはSRC構造や柱脚にRC根巻きがあり、RCで固定され

構造耐力を伝えます。



後者の場合、鉄骨が倒れないようにするための仮設的な部分があり、構造上の力を

負担しないため、アンカーボルトの配置の変更も多少容易になります。

『建て方用アンカーボルト』か否かをあらかじめ確認しておくと、配筋検討で

悩む時間が短縮できそうです。


T.F

2023年4月24日月曜日

ArchiCAD データのクリーンアップ

 ArchiCADでモデリングをしていると、下絵の2D図や他のモデルからのコピーなどで

知らずのうちにデータのゴミ(ファイルを削除しても残ってしまう目に見えないデータ)

が溜まってしまいます。

「さほどモデリングをしていないのにデータの容量が大きくなってしまっている」という

ことが良くあるかと思います。


ここで簡単にデータの容量を削減できる方法を紹介します。

実は、2022年7月4日月曜日に掲載した

『ARCHICAD プロジェクトデータの処理中に深刻なエラー』


とおなじ方法です

ファイルを開く際に「選択したファイルを開いて修復」にチェックを入れ開くだけです。

ただし、開く際にはファイルをクリックするのではなく、

ARCHICADが立ち上がっている状態で、[ファイル]ー[開く]の操作で開きます。


次に開くファイルを選んで、下方にある

選択したファイルを開いて修復」にチェックを入れます。



そして[開く]をクリック。

そこで開いたファイルは修復され、データ容量も削減された状態で開きます。



試行したファイルでは、ファイルを開く前では[463MB]ですが、



修復をしたファイルは[399MB]となっています。


今回は、不要な外部参照のデータや断面図、ビュー等は削除をしていませんが、

削除をした後で修復するとさらに効果的です。

一度、お試しください。

T.F

2023年4月21日金曜日

CO2排出量削減

 ドイツのフォルカー・ウィッシング運輸・デジタル相が


「ゼロエミッション車にe-fuelのみで走行する内燃機関(ICE)車を含めない限り、


法案を支持しない」と表明しましたね。


水素エンジン開発に力を入れてきたトヨタは流石ですね!


建築でも省エネルギー省CO2サステナブルといった言葉を


よく聞くようになってきています。


数年前からエコボイドを採用した建物も増えてきましたね。




最近、携わるプロジェクトで聞くようになったのがグリーン水素です。


TOYOTA Woven CityでもCO2フリー水素の製造と利用が発表されています。



https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/36977308.html


現在進めているプロジェクトでは、春から秋にかけて太陽光発電で得た


余剰電力で水を電気分解し、グリーン水素を生成、吸蔵合金と呼ばれる


特殊な金属内に安全な状態で貯蔵し、冬場には季節を超えて貯蔵した水素


を吸蔵合金から取り出し、燃料電池で発電し、電力を供給する計画となっています。


太陽光発電だけだと雨の日や夜間などに使えないし、蓄電池を組み合わせるだけだと


とてつもない大規模なものになってしまいますからね。。。



sakamoto

2023年4月20日木曜日

木造高層建築

 最近、ニュースでも木造高層ビルの話題を聞くようになりましたね!



大林組が木材製造販売会社を子会社化したニュースもありました。


https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20230201_1.html


木造高層建築はCLTにより可能になったようです。



一般社団法人日本CLT協会では、CLTについて下記のように説明しています。


「CLTとはCross Laminated Timber(JASでは直交集成板)の略称で、


ひき板(ラミナ)を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。


厚みのある大きな板であり、建築の構造材の他、土木用材、家具などにも使用されて


います。


CLTは1995年頃からオーストリアを中心として発展し、現在では、イギリスやスイス、


イタリアなどヨーロッパ各国でも様々な建築物に利用されています。


また、カナダやアメリカ、オーストラリアでもCLTを使った高層建築が建てられるなど、


CLTの利用は近年になり各国で急速な伸びを見せています。


特に、木材特有の断熱性と壁式構造の特性をいかして戸建て住宅の他、中層建築物の


共同住宅、高齢者福祉施設の居住部分、ホテルの客室などに用いられています。


日本では2013年12月に製造規格となるJAS(日本農林規格)が制定され、


2016年4月にCLT関連の建築基準法告示が公布・施行されました。


これらにより、CLTの一般利用がスタートしています。」


木造の高層ビルが脚光を浴びている背景は、大きく2つ挙げられるよいうです。


1つが環境対策としてのメリット、


もう1つは、木は国内に資源がたくさんあることです。


以前に読んだ本では、先進国で木材を輸出してないのは日本だけと書かれていました。


また、植林した木の成長が限界まで進んでいるので、利用する必要があるとのことで、


木は成長すると、あまり光合成をしなくなり、二酸化炭素を吸収する力が弱まるため、


成熟した木は伐採して植え替え、若い木を増やす方が長い目で見て二酸化炭素の


吸収力は大きくなるそうです。



もともと建築基準法では、木材は燃えやすいため、4階以上や大規模な建物に使うことが


原則禁止されていましたが、改正で耐火性能を満たせば使うことができるように


なりました。



具体的な告示の内容は下記URLからも見ることができます。


https://clta.jp/document/detail/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E9%96%A2%E9%80%A3%E5%91%8A%E7%A4%BA%EF%BC%88%E8%A8%AD%E8%A8%88%E6%B3%95%EF%BC%89/


シェルパでも木造ハイブリッド構造のプロジェクトが始まっており、


ユニット化などの検討を進めています。



sakamoto

2023年4月19日水曜日

スマートホーム化(2/2)

 スマートロックがとても良かったので、他にも色々と使ってみたくなりました。


前から気になっていたのは、夏季や冬期の休暇などで家を空ける時の防犯です。


今回は見守りカメラを買ってみました!



https://www.switchbot.jp/pages/switchbot-pan-tilt-cam-3mp


動体検知し自動追跡(水平360°、垂直115°)します。


試しに部屋を歩いてみると、不審者風の写真がスマホに送られてきました笑


私の写真ではなく、商品サイトにあった写真で。。。




真っ暗でも鮮明に映ります。



遠隔からスマホ操作で部屋の確認もできます。



何も映らないのが一番ですね!



sakamoto

2023年4月18日火曜日

スマートホーム化(1/2)

 外出する時や帰った時に、バッグから鍵を取り出したり仕舞ったりが


面倒になってしまった私。。。


以前から気になっていたスマートロックを買ってみました!




https://www.switchbot.jp/products/lock-starter-combo?variant=42260280508591


快適ですが、車で出かける時にも鍵を忘れるようになってしまいました笑


開錠方法は下記の6種類


・指紋認証


・テンキーのパスワード


・スマホでアプリの操作


・Apple Watch


・NFCタグ


・スマートスピーカーで音声操作


動作は少し遅いですが、施錠はオートロックだし快適です。


口コミで電池があっという間に無くなると書いてありましたが、


ファームウェアのバージョンアップがあったのか全然そんな感じはありません。


先日、親戚が遊びに来てくれたのですが、子供の卒業式が長引いて帰れず。。。


「着いたよ」と連絡があったので、遠隔でカギを開けて先に入ってもらいました。


二拠点生活している方などは、鍵を忘れた!ってこともないので良さそうですね。



sakamoto

2023年4月17日月曜日

人工知能チャットボット

 工知能(AI)チャットボットはご存じですか?


先日、国会でも使われて話題になりましたよね。


ChatGPT」が2022年11月に公開されて話題になりましたが、


Microsoftも2023年2月にChatGPTがベースとしている技術を


Bing」の検索エンジンに統合し、チャットボット機能を備えた


新しいBingを発表しました。


それぞれの特徴を調べてみると、web上で下記のように説明しているサイトがありました。


ChatGPT2021年以前のウェブの膨大なデータを用いて訓練されている。


このため、2021年以前の話題や出来事についての疑問があるなら、


ChatGPTとの対話によって疑問に対する包括的な回答が得られるだろう。」


BingはBing検索のインデックランキングに基づいて回答を生成する。


その結果、Bingは質問されたまさにその時点で利用可能な最新の出来事やストーリー、


リサーチにアクセスすることができる。」


ChatGPTで「20万円以下で一番性能が良いゲームノートPCを教えて」と聞くと


下記の回答がありました。



Bingで同じ質問をすると下記の回答がありました。


標準的なスペックやおすすめ機種、続いてのよくある質問も出てきました!




ChatGPTと音声会話する方法を紹介しているサイトもありました。


簡単に設定できます。


https://ondoku3.com/ja/post/how-to-have-a-voice-conversation-with-chatgpt/


ただ、情報が正しいかどうかは分かりませんので、使う側が精査しないといけませんね。


また、「吾輩は猫であるの感想文を800文字程度で教えて」も回答してくれますので、


子供の宿題などの懸念はありますね。。。


また、イタリアではChatGPTのアクセスが停止になったそうです。


膨大な個人情報の収集や利用者の年齢確認の未整備が理由とのことですが、


確かに考えないといけないところはありますね。



sakamoto

2023年4月14日金曜日

Bluebeam マークアップをしたPDFで重ね図を作る

先日、意匠図のPDFとBluebeamでマークアップを追加した構造図のPDFを重ねようと思って

やってみたら


意匠図 風‥ ↓




構造図 ↓







あれ?  マークアップがない‥
ってことがありました。





フラット化さえやれば何でもできると思ってましたが


「オーバーレイ」で「デフォルト編集」で
「フラット化済みマークアップを含める」にチェックを入れる必要があります。







無事できました!










y-ito 





2023年4月13日木曜日

ArchiCAD24 Grasshopper Live Connection (天井を作成 -2)

今回は、ゾーンを入力していない(壁は入力している)場合に
GH Live Connectionを使って 天井(スラブ)を作成してみたいと思います。

GHの操作がよくわからなくてもできそうな方法でやってみます。


まず、壁がある範囲にスラブを大きく入力します。
このとき、スラブのビルマテは壁より弱いものを使います。





3Dだとこんな感じです。




平面ビューに戻り
「平面図から新規3Dドキュメントを作成」をします。

画面は3Dドキュメントの画面です↓




壁のレイヤーをオフします。

スラブを選択すると、壁がある部分でくり抜かれているのがわかります。



これを「名前を付けて保存」でdwg形式で保存します。




続いて、保存したdwgをRhinoで開きます。
選択してみると
ブロックインスタンスになっているので



選択した状態で
コマンドに「Explode」→ Enterキー
続けて  「join」→Enterキー
をします。
これにより閉じた曲線を作ることができました。




「curve」をセットして
GH Live Connection につなぐと




スラブが作成されました。
(レベルは設定してないので、z=0のレベルになっています。)




一部スラブを選択してみるとこんな感じです↓
閉じた曲線すべてにスラブが作成されているため、
いらないものは消す必要があります。
また、入力した壁によって意図しない形状になっていることも
あるため、必要に応じて編集します。



あとは仕上表や天井伏図などを元に
レベルを調整するという流れになります。






今回、本当は壁だけでできないかなと思ったのですが、
閉じた曲線を作るのがちょっとうまくいかなかったので
ArchiCADのビルマテが弱いものがくり抜かれるという
特性を使ってやってみました。


機会がありましたら、試してみてください。




y-ito






2023年4月12日水曜日

ArchiCAD24 Grasshopper Live Connection (天井を作成 -1)

以前のブログでRevitでDynamoを使って天井を作成するやり方を
ご紹介していますが、

「Revit_Dynamoで天井を作成する」


今回は、ArchiCADでゾーンをGH Live Connectionにつないで
天井(スラブ)を作成してみました。


ArchiCADでゾーンが入力されている状態



ゾーンの高さを天井の高さとしています



Live Connection 開始
下図で「RP」となっているところでパネルで「0」としていますが
ここでスラブの基準面をBottomにすることができます。





天井が入力されました!




早いですね!







y-ito

2023年4月11日火曜日

ArchiCAD 平面的に斜めに要素を配置・編集するとき

平面的に斜めに要素を配置したり編集するとき、どうやっていますか?





斜めの線を書いてなぞって入力したり
寸法も小数点以下が表示されるようにして確認したりして
丁寧にやっていても

dwgに変換したときに、
線の角度が180.〇〇〇〇みたいな、
微妙~に斜めになってるってことがあります‥


のちのちdwgに出力して活用するとかを考えると
できればまっすぐに入力したいです。。


なので、平面的に斜めに要素を配置したり編集したりするときは
ちょっと手間だとしても「画面上で方向を設定」して
編集するのをお勧めします。






↑↑ 移動したりするときに90°となっているのでちょっと安心‥


また、
dwgに一度保存してAutoCADやIJCADなどで確認してみるのもよいと思います。
デフォルトでは角度の精度が0になっている場合もあるので
小数点以下が表示されるようにすると確認できると思います。





確認してみてください♪




y-ito