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2020年7月15日水曜日

Revit モデルパフォーマンス ③~開始ビュー~


今週は、Revitモデルのパフォーマンスについての検証を行います。

よく耳にするけど確かめたことのないことや、個人的に気になっているモデルのパフォーマンスに関わる項目について、5回に渡って検証したいと思います。

3回目は、開始ビューについてです。


検証内容

rvtファイルを開くと、「開始ビュー」が設定されていれば、そのビューが初期画面として開き、設定されていなければ、前回保存した際に表示していたビューが開きます。

このときのビューがどんなビューかによって、起動時間に影響が出ると聞いたので、検証してみたいと思います。


検証方法

モデルは、Revitにデフォルトのサンプルモデル「rac_advanced_sample_project.rvt」とし、開始ビュー
  1. 「開始ビュー」というテキストのみが置かれた製図ビュー
  2. 「From Parking Area」という名前のパースの3Dビュー(シェーディング)
  3. 「From Parking Area」という名前のパースの3Dビュー(リアリスティック)
  4. 「01 - Entry Level」という名前の平面図
  5. 「Section Through Main Stair」という名前の断面図
  6. 「Detail At Grade」という名前の詳細ビュー
  7. 「Room Finish Schedule」のという名前の集計表
  8. 「A1-Floor Plan」という名前のシート
にそれぞれ設定して別rvtファイルで保存しておきます。



そのrvtファイルについて、下記の通り計測を行い、その結果を比較します。
  1. rvtファイルを開いて閉じる時間

※時間の計測はマクロで測定。各5回測定し、その平均値を評価する値とします。
※環境は、Revit2019.2、Windows10です。


結果

測定値は下記の通りです。

予想通り、製図ビューの「開始ビュー」が一番ファイルを開く時間が短い結果となりました。
当然といえば当然の結果ではありますが、描画するのに時間のかかる開始ビューほど、ファイルを開くのにも時間がかかっていることがわかります。

モデルが重くなると、ファイルを開くのにも時間がかかってくるので、製図ビュー等で描画に時間のかからないビューを開始ビューに設定しておけば、より早くモデルを開けますね。

次回は、グループとインプレイスについてです。


R.O

2020年7月14日火曜日

Revit モデルパフォーマンス ②~3Dモデルと線分~


今週は、Revitモデルのパフォーマンスについての検証を行います。

よく耳にするけど確かめたことのないことや、個人的に気になっているモデルのパフォーマンスに関わる項目について、5回に渡って検証したいと思います。

2回目は、平面ビューにおける3Dモデル・線分のパフォーマンスの違いについてです。


検証内容

以前「ファミリは平面的に同じ形状の場合、3Dの要素よりも2Dの線分の方がパフォーマンスが悪い」ということを耳にしました。
そこで今回はそれを確かめるべく、平面ビューにおいて、同じ形状でも3Dモデル・モデル線分・詳細線分によってビューの表示速度に違いがあるか検証します。


検証方法

検証モデルは、5パターン用意します。
いずれも1m角の
  • 一般モデルカテゴリで立方体(押し出し)のファミリ
  • 一般モデルカテゴリで正方形のモデル線分のファミリ
  • 詳細項目カテゴリで正方形の詳細線分のファミリ
  • 正方形のモデル線分
  • 正方形の詳細線分
を作成し、それぞれ1~20FLに4mピッチでグリッド状に縦横100個ずつ並べ、1フロアに1万個、計20万個並べたものを、別々にrvtファイルとして保存します。

下記について計測を行い、その結果を比較します。
  1. rvtファイルサイズ
  2. rvtファイルを開いて閉じる時間
  3. 平面ビューを1つ開いて閉じる時間(1~20FLの開閉時間の平均)
※時間の計測はマクロで測定。各5回測定し、その平均値を評価する値とします。
※rvtファイルの開始ビューは、ビュー範囲に何も要素が無い平面ビューを設定。
※ビューの開閉時間は、rvtファイルを開いて最初にビューを開くときの時間を測定しています。
※テンプレートはデフォルトの建築テンプレートを使用しています。
※環境は、Revit2019.2、Windows10です。


結果

測定値は下図のとおりです。


まとめると、
  • 3Dモデルでも2D線分でも、ファミリになっていれば平面ビューを開閉する時間に大きな差異は生じなかった。
  • 同じ正方形でも、一般カテゴリのモデル線分ファミリと、詳細項目カテゴリの詳細線分ファミリとでは、後者の方がファイルサイズが小さい。
  • ファミリは立方体または正方形で1つのインスタンスですが、線分の場合は正方形で4つのインスタンスになるためか、ファイルサイズも大きくなり、平面ビューの開閉時間も、ファミリの場合に比べ時間がかかった。
という結果となりました。


今回は平面的に正方形という形状だったためか、ファミリの場合、3Dでも2Dでもあまり違いが無かったため、以前聞いたことの証明にはなりませんでした。
ただ、詳細線分で作図した場合と、ファミリ化した場合との違いは明確に表れていたので、もし何度も作図が必要な形状は確実にファミリ化した方が良さそうですね。

今回はここまでになります。
次回は、開始ビューについてです。


R.O

2020年7月13日月曜日

Revit モデルパフォーマンス①~ファミリ~


今週は、Revitモデルのパフォーマンスについての検証を行います。

大きな規模の物件ではRevitモデルのサイズがどんどん大きくなるので、ちょっとした入力の違いや運用方法で、モデルのパフォーマンスに影響を与えることがあります。
そこで、よく耳にするけど確かめたことのないことや、個人的に気になっているモデルのパフォーマンスに関わる項目について、5回に渡って検証したいと思います。

1回目は、ファミリについてです。


検証内容

今回は、ファミリの作り方によってパフォーマンスにどう影響を与えるか検証します。

検証項目

・押し出しとスイープの比較
・参照面の数と参照の種類の比較
・ファミリ内部で配列配置した場合と通常配置との比較


検証方法



検証するモデルは、一般モデルカテゴリで1m角の立方体のファミリを作成し、1~20FLに4mピッチでグリッド状に縦横100個ずつ並べ、1フロアに1万個、計20万個並べたrvtファイルとします。

下記について検証項目ごとに計測を行い、その結果を比較します。
  1. rvtファイルサイズ
  2. rfaファイルサイズ
  3. rvtファイルを開いて閉じる時間
  4. 平面ビューを1つ開いて閉じる時間(1~20FLの開閉時間の平均)
  5. 全体が表示される3Dビューを1つ開いて閉じる時間
※時間の計測はマクロで測定。各5回測定し、その平均値を評価する値とします。
※rvtファイルの開始ビューは、ビュー範囲に何も要素が無い平面ビューを設定。
※ビューの開閉時間は、rvtファイルを開いて最初にビューを開くときの時間を測定しています。
※テンプレートはデフォルトの建築テンプレートを使用しています。
※環境は、Revit2019.2、Windows10です。

2020年7月10日金曜日

Rhino.Inside.Revit② ~Grasshopper→Revit~



Rhino.Inside
という様々なソフトウェア内でRhinocerosを実行できるようにするプロジェクトがWIP版で公開されています。

その中に、Rhino.Inside.Revitという、Revitバージョンも公開されており、Revitを起動しつつそのアドオンという形でRhinocerosおよびGrasshopperを起動することができます。

Rhino.Inside.Revitでどんなことができるか試してみたので、2回に渡ってその機能のさわりの部分を紹介します。

なお、バージョンは、Rhino.Inside.Revit:0.0.7482.23619、Revit:2019.2になります。
頻繁に更新されているので、今後UI等の仕様が変わる可能性があります。

2回目は、Grasshopperで作成した形状をRevitへ送る方法についてです。


GrasshopperからRevitへ

Rhino.Inside.Revit用のGrasshopperのコンポーネントには、Revitで要素を作成するためのコンポーネントが色々用意されています。

[Revitタブ > Build]を開くと、このように柱や梁など基本的な要素はこれで作成できます。


ただ、Grasshopperといえば、コンピューテーショナル、パラメトリックな形状だと思うので、今回はそういった形状の生成方法を3通り紹介します。
生成する形状は、大分適当ですがこんなものを用意しました。

2020年7月9日木曜日

Rhino.Inside.Revit① ~Revit→Grasshopper~



Rhino.Inside
という様々なソフトウェア内でRhinocerosを実行できるようにするプロジェクトがWIP版で公開されています。

その中に、Rhino.Inside.Revitという、Revitバージョンも公開されており、Revitを起動しつつそのアドオンという形でRhinocerosおよびGrasshopperを起動することができます。

Rhino.Inside.Revitでどんなことができるか試してみたので、2回に渡ってその機能のさわりの部分を紹介します。

なお、バージョンは、Rhino.Inside.Revit:0.0.7482.23619、Revit:2019.2になります。
頻繁に更新されているので、今後UI等の仕様が変わる可能性があります。

1回目は、Revitの情報をGrasshopperから取得する方法についてです。

取得の流れ

今回はRevitの壁などの要素を取得してみます。


1.Filter系コンポーネントで要素を取得する条件を作成
2.作成したFilterの条件でRevitの要素を取得
3.取得した要素から形状やパラメーター等の情報を取得

が大きな流れになります。

2020年7月8日水曜日

Revit リンクモデルのつまずきポイント③~共有ファミリとタグ~



「階でファイルを分割して、シート作成用のrvtファイルにリンクをする」
というRevitモデルの構成パターンのときに出くわしたつまずきポイントについて、3回に渡って直面した問題と対応策について紹介していきます。


3回目(最終回)は、共有ファミリとタグについてです。

問題

~リンクのドアへのタグ一括配置時に、ネストしている共有ファミリにも振られてしまう~

通常タグは、[注釈>タグすべて]から一括でタグを振ることができます。


しかし、例えばドアの枠が親ファミリ、パネルが子ファミリというようなネストされたファミリになっていて、かつパネルが共有ファミリになっていている場合があります。


そのようなファミリ構成の場合、[タグすべて]を実行すると、親と子どちらにもタグが振られてしまいます。


これを回避する方法としては、ドラッグで一括選択して
[タグすべて]を実行すると、親ファミリだけにタグを振ることができます。


が、リンクモデルに対しては同じことができません。
リンクモデルの場合はドラッグ選択しても、リンクのインスタンスのみが選択されて、個別の要素は選べないので、一括配置後に共有ファミリに振られたタグを消さなければいけません。


対応策

今回も、Dynamoで対応してみました。
※Ver.2.0.3、()は使用しているパッケージ名です。


コンポーネントファミリのインスタンスは、自分の親ファミリの情報を内部で持っていて、親ファミリの場合は自分が親ファミリなのでこの情報は"空"になります。
これを利用して親ファミリのみをDynamoで取得、タグ配置を行っています。

実行すると、このように親ファミリのみタグが振られました!


全3回にわたってリンクモデルのつまずきポイントについて紹介しました。
他にもリンクモデルを扱う上でぶつかる壁は色々あるので、また次の機会に紹介できればと思います。

R.O

2020年7月7日火曜日

Revit リンクモデルのつまずきポイント②~壁芯の寸法~




「階でファイルを分割して、シート作成用のrvtファイルにリンクをする」
というRevitモデルの構成パターンのときに出くわしたつまずきポイントについて、3回に渡って直面した問題と対応策について紹介していきます。




2回目の今回は、壁芯の寸法についてです。

問題

~リンクモデルの壁躯体芯を寸法でおさえられない~

通常、壁芯をおさえて寸法を配置する際、設定を[躯体芯]にしておけば、例えばボード2枚片面貼りのLGS壁のような場合でも、LGSの芯をおさえることができます。



しかし、リンクモデルの壁芯に寸法を振ろうとすると、[躯体芯]を参照できず、[壁芯]になってしまいます。

対応策

躯体芯に詳細線分を配置して、寸法の参照元とすることで対応しました。
さすがに壁一枚ずつ配置するのは大変なので、Dynamoで配置してみました。
※Ver2.0.3、()は使用してるPackage名です。



このように、詳細線分を一括配置できました。

長所

リンクモデル元の要素が削除されると寸法も消えてしいますが、詳細線分を参照して寸法を配置するので、勝手に寸法が消えることはありません。

短所

リンクの壁位置に変更があっても追従はしないので、詳細線分の位置合わせによる修正が必要になります。


中々やっかいな問題ですが、参考になったでしょうか?
もしもっと良い方法があればぜひコメントいただけると幸いです。

リンクモデルシリーズ、次回(最終回)は共有ファミリとタグについてです。

R.O