総合病院やガンセンターなど、放射線機器を用いた治療や診断を行う部屋には
放射線防護を施します。
放射線防護の考え方には3原則があり、
「時間」「遮蔽」「距離」
の3つになります。
建物としての遮蔽は、病院の場合は、放射線を扱う部屋の外部にいる人が基準値
以上の放射線を被爆しないことが目的です。
厚生労働省の医療法施行規則には、
エックス線診療室や診療用高エネルギー放射線発生装置使用室
の構造設備の基準として、
「天井、床及び周囲の画壁(以下「画壁等」という。)は、その外側における
実効線量が1週間につき1mSv以下になるようにしゃへいすることができる
ものとすること。」
と歌われています。
このような基準に則すように、医療機器の放射線量と放射時間、壁までの距離から
遮蔽性能を算出します。
病院などは、従来の放射線機器、診療時間などでは遮蔽の鉛厚さが、1.5mm~2mm
程度ですが、
近年は放射線機器の高性能化や、診療時間の見直しから、3mmの鉛が必要という
事例もあります。
3原則の考えから言うと、部屋の大きさは変わらないとすると、壁(放射線防護を
している壁)までの距離は変わらないので、
・放射線機器から発せられる放射線量が増える。
・放射する時間が増える。
ことになれば、遮蔽の性能を上げることになりますね。
医療機器は、年々進化していて、病院施設を新設する場合でも、設計段階と実際に
機器を設置する時期では1~2年のタイムラグがあるため、施工時期と機器選定の
時期に注意が必要です。
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