よく耳にするけど確かめたことのないことや、個人的に気になっているモデルのパフォーマンスに関わる項目について、5回に渡って検証したいと思います。
2回目は、平面ビューにおける3Dモデル・線分のパフォーマンスの違いについてです。
検証内容
以前「ファミリは平面的に同じ形状の場合、3Dの要素よりも2Dの線分の方がパフォーマンスが悪い」ということを耳にしました。
そこで今回はそれを確かめるべく、平面ビューにおいて、同じ形状でも3Dモデル・モデル線分・詳細線分によってビューの表示速度に違いがあるか検証します。
検証方法
検証モデルは、5パターン用意します。
いずれも1m角の
- 一般モデルカテゴリで立方体(押し出し)のファミリ
- 一般モデルカテゴリで正方形のモデル線分のファミリ
- 詳細項目カテゴリで正方形の詳細線分のファミリ
- 正方形のモデル線分
- 正方形の詳細線分
下記について計測を行い、その結果を比較します。
- rvtファイルサイズ
- rvtファイルを開いて閉じる時間
- 平面ビューを1つ開いて閉じる時間(1~20FLの開閉時間の平均)
※rvtファイルの開始ビューは、ビュー範囲に何も要素が無い平面ビューを設定。
※ビューの開閉時間は、rvtファイルを開いて最初にビューを開くときの時間を測定しています。
※テンプレートはデフォルトの建築テンプレートを使用しています。
※環境は、Revit2019.2、Windows10です。
結果
測定値は下図のとおりです。
まとめると、
- 3Dモデルでも2D線分でも、ファミリになっていれば平面ビューを開閉する時間に大きな差異は生じなかった。
- 同じ正方形でも、一般カテゴリのモデル線分ファミリと、詳細項目カテゴリの詳細線分ファミリとでは、後者の方がファイルサイズが小さい。
- ファミリは立方体または正方形で1つのインスタンスですが、線分の場合は正方形で4つのインスタンスになるためか、ファイルサイズも大きくなり、平面ビューの開閉時間も、ファミリの場合に比べ時間がかかった。
という結果となりました。
今回は平面的に正方形という形状だったためか、ファミリの場合、3Dでも2Dでもあまり違いが無かったため、以前聞いたことの証明にはなりませんでした。
ただ、詳細線分で作図した場合と、ファミリ化した場合との違いは明確に表れていたので、もし何度も作図が必要な形状は確実にファミリ化した方が良さそうですね。
今回はここまでになります。
次回は、開始ビューについてです。
R.O
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