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2017年8月29日火曜日

国土交通白書のヨミカタ⑥

では 、イノベーションの取組みについて、具体的な内容に迫っていきましょう。

●2.イノベーションに関わる取組み
 ■i-Construction の推進
 現在、建設現場で働いている職人さん約326万人(2016 年時点)のうち
55歳以上が約1/3を占めており、今後10 年間で高齢化等により離職する可能性が
高いことが想定されています。

また、建設業では高齢者の大量離職の見通しとともに、若年技能労働者の離職率の
高さが懸念されています。


企業及び建設業離職者への調査によると、離職の理由のそれぞれ上位8つのうち、
共通する項目として、下記の4つが挙げられています。
・「休みがとりづらい」
・「作業に危険が伴う」
・「労働に対して賃金が低い」
・「ひと月の仕事量によって賃金額が変動する」


これらの実態を踏まえ、国土交通省では、今後到来する労働力人口の減少に向けて、
劇的な進展を遂げるICT などを活用しながら、建設業が生産性を高めながら現場力を
維持できるような取組みを進めています。

 建設業は「社会資本整備の担い手」であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う
国土保全上必要不可欠な「地域の守り手」であり、人口減少や高齢化が進む中にあっても
建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに、生産性向上が必要
不可欠です。

そこで、国土交通省では、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの
建設生産プロセス全てを対象としてICT 等の新技術を活用する「i-Construction」を
推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指しています。

2016年度はトップランナー施策として3つを挙げ、推進しました。
①切土や盛土といった工事へICT を活用する「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」
②コンクリート工の規格の標準化等の「全体最適の導入」
③2カ年国債の活用やゼロ国債の設定などによる「施工時期等の平準化」


2017年3月までには584の工事でICT 土工が実施されました。
岐阜県のある道路建設工事では、施工者がICT土工に積極的な取組みを行っており、
ドローン測量の検証や、マシンコントロールバックホーによる切土法面成型などを実施
しました。


本工事では、UAVやICT建機の活用による成果を挙げています。
・測量日数の短縮を初めとして工期が大幅に(36日から7日へと約30日)短縮した。
・経験の浅いオペレーターでも高精度に仕上げることが可能になった。
・測量及び法面整形時の機械化で作業員が法面から滑落事故などの危険性が無くなった。
このQCDSの成果をみると、まさに良いこと尽くめのようです。

さらに、様々な分野の産学官が連携して、IoT・AI などの革新的な技術の現場導入や
3次元データの活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を
創出するため「i-Construction 推進コンソーシアム」を2017年1月に設置しました。



そして、今後もICT の活用工種の拡大やCIMの導入、i-Constructionコンソーシアムの
WG活動等を通じた建設現場への新技術の実装や更なる普及・促進施策の充実等により、
・「給与が良く」
・「十分な休暇が取得でき」
・「将来に希望が持てる」
魅力ある新たな建設現場の実現を目指す、としています。

ここまでを見ると土木分野が主体になっていますが建築分野においても官庁営繕事業での
BIMの導入の効果や課題を効果の検証するため、22年度から導入の施行をしています。

そして、これらの結果も踏まえ、官庁営繕事業におけるBIM を利用する場合の基本的な
考え方と留意事項を
「官庁営繕事業におけるBIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン」として
取りまとめ26年度からは、ガイドラインを適用したBIM 導入事例の蓄積を図っています。

★わたし自身も建築分野に身を置いていますが、ここ近年、BIM がとても身近になってきた
ことを強く感じています。

「国土交通白書」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h28/index.htmlを加工して作成。

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