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2014年6月9日月曜日

鉄骨の錆止め範囲

鉄骨工事において、錆止め塗装範囲の注意点です。
一般的には、錆止めを塗る場合は鉄骨が露出する場合、
塗らない場合は耐火被覆で覆われる場合や、外部の非構造体の
溶融亜鉛メッキを施した場合などですね。
こう考えると、耐火被覆との関係でサビ止めの有無が左右されていますね。
耐火被覆の有無は建物の構造により決まります。
簡単に分けると、
錆止めを塗る場合
・準耐火構造
・不燃構造
また、耐火建築物では、
・耐火建築物で主要構造部以外の部材
・下地材 等
・複合耐火となる空隙に面する部分
錆止めをぬらない場合
・湿式・半湿式の耐火被覆で覆われる場合
・非構造体でメッキ処理をした場合
錆止めを塗らないことを確認する場合
・巻付の耐火被覆を施す場合
・ケイ酸カルシウム板の耐火被覆を使用する場合

となります。

各メーカーが行った試験から、乾式の耐火被覆を施した場合、
鉄骨面のサビの進行が見られない結果が出ています。
ただし、水回りや外周部、施工中に長期にわたり雨掛かりになる部分などは
必要と考えられます。
最終的には、監理者との合意が必要です。

巻付け耐火被覆の場合は、錆止めの有無は監理者との
合意が必要。
















さらには、耐火性能検証法を採用する場合、
耐火被覆が軽減されコストメリットがありますが、
鉄骨ファブに細かく耐火被覆が不要な範囲=錆止め塗装範囲を
指示しなければなりません。

ちなみに耐火性能検証法は、

(1)建築物の構造や建築設備、用途に応じて、室内で予測される
火炎の発生による加熱に、火災が終了するまで耐えられるか
(2)建築物の周囲で発生する通常の火災による火熱に、
火災が終了するまで外壁が耐えられるか
ということを、各部屋の間仕切りの仕様を基に算出します。
メリットは下記の通りです。
・耐火被覆の低減
・EVシャフト内部の鉄骨部材の 耐火被覆削減
・CFT柱の耐火被覆削減
・中間免震層に設けられた免震装置の 耐火被覆削減
・膜屋根の計画
などです。

耐火性能検証法を採用する場合は、内装の壁を堺に
耐火被覆が有り・無しがわかれる場合も有り、鉄骨の
錆止め塗装部分を明確に指示をする必要がある。














いずれにしても、耐火被覆と錆止め塗装はセットで考えましょう。  
                                              T.F

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