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2014年6月10日火曜日

メンテナンスから見た防水仕様

防水(メンブレン防水)の仕様を大きく分ける4種類になります。
1、アスファルト防水
2、改質アスファルトシート防水
3、合成高分子系ルーフィングシート防水
4、塗膜防水

耐用年数を見ると、長い順に
・アスファルト防水、改質アスファルトシート防水
 露出・・・13~15年(東西アスファルト事業協同組合では17~20年)
 押え・・・17~20年(東西アスファルト事業協同組合では20~32年)
・合成高分子系ルーフィングシート防水
 13~15年
・塗膜防水
 10~13年
【耐用年数参考値】
 建設省総合技術開発プロジェクト(昭和55〜59年)
 東西アスファルト事業協同組合、
 田島ルーフィング(株)の研究データ・実績
となります。
確実な施工で行われた場合では、
アスファルト防水の押えコンクリート仕様
が約20年間、品質が保たれるということです。

また、コストを見ると、一般的な仕様で、低い方から

 低 シート防水⇒アスファルト防水⇒改質アスファルトシート防水⇒塗膜防水 高

となりますが、アスファルト防水の押えコンクリート仕様は更に
コンクリートを施工するコスト
が掛かります。結果としては、
アスファルト防水の押えコンクリート仕様
がコストとしては一番高くなります。
耐用年数が長いことを考えると納得できます。

しかし、この耐用年数の目安が過ぎた時期には改修工事を考えなければなりません。
改修工事極力簡単に出来る事にこしたことはありません。

改修工事を考えた上で下記のような、建物上階の狭い側溝の防水仕様を考えてみます。
原設計はアスファルト防水押えコンクリート仕様です。













・アスファルト防水の押えコンクリートの仕様の場合
 1、外部への飛来落下、作業員の墜落災害を考えると、養生を確実に行う
   必要がある。場合によっては外部足場が必要である。
 2、押えコンクリートをハツリ取らなければならず、ハツリ作業の騒音と
   ハツリガラ搬出の作業期間が問題になる。
  3、狭い場所での作業であるため、改修後もアスファルト防水の仕様にすると
   施工効率が悪い。
・シート防水系の場合
 1、古いシートの撤去作業があるが、ハツリガラは出ないため、比較的
    アスファルト防水の押えコンクリート仕様に比べると、撤去は容易
 2、狭い場所での作業であるため、改修後もシート防水系であると施工効率が
   悪い。  
・塗膜防水
 1、撤去にかかる労力は一番少ない。
 2、材料がルーフィングやシートではなく、缶であり、施工は刷毛やローラー
   であるため、狭いところでの作業性が良い。

これらを考えると、押えコンクリートがあると、仮設・養生・運搬にかなりの
コストがかかると予想されます。改修工事は居ながら作業となることを
想定すると改修スパンが短くなりますが、塗膜防水が環境・コスト・作業性
から有利になります。

新築物件では、防水がメンテナンスを十分に考慮されている仕様であるかを
確認しましょう。
                                            T.F

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