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2017年9月1日金曜日

国土交通白書のヨミカタ⑨

さて、イノベーションの取組みも、そろそろ終盤です。

 ■リニア中央新幹線
 超電導リニアは超電導を利用した世界に誇る日本独自の先端技術です。
従来の鉄道のように車輪とレールとの摩擦を利用して走行するのではなく、車両に
搭載した超電導磁石と地上に取り付けられたコイルとの間の磁力によって非接触で
走行するため、500km/時という超高速走行が安定して可能となります。

日本においては、東海道新幹線開業の2年前である1962年に当時の日本国有鉄道の
鉄道技術研究所が、次世代の高速鉄道の開発として研究を始めました。
その後、鉄道開業100年の記念行事の一つとして行われた1972年の公開実験では
研究所構内の長さ480mの走行路で60km/時の浮上走行に成功しました。

超電導リニアの技術開発については、1990年の運輸大臣通達に基づき、JR東海と
鉄道総研が共同で作成した「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画」により推進
されています。
同計画における開発期間が2016年度で終了することから、2017年2月に、
第20回「超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会」において、JR東海と鉄道総研に
より今後の技術開発の方向性について、同委員会に報告され、審議・了承されました。
これを受け、国土交通省は2017年3月「超電導磁気浮上方式鉄道技術開発基本計画」
の変更を承認しました。

今後、国土交通省では、社会実装されるリニアを活かし、大都市をつなぐスーパー・
メガリージョンの形成や、地域活性化の取組みへの支援(アクセス道路、駅周辺整備、
観光地整備、公共交通の整備等)、米国への超電導リニア導入の働きかけによる国際
展開を行うこととしています。


これにより、移動の更なる高速化による都市間の結びつきの高まりや大都市の国際
競争力強化、南海トラフ等災害時のリダンダンシー、リニアを活かした地域活性化や
国際展開が期待されています。

 ■シェアリングエコノミーへの対応
 シェアリングエコノミーは、「個人等が保有する活用可能な資産などを、インター
ネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする、経済
活性化活動 とされています。
既存のリソースを効率的に活用することや個人が多種多様なサービスを提供・享受
することを可能とするシェアリングエコノミーにより、日本の課題解決に貢献する
可能性があります。
また一方で、利用者のプライバシーの保護、安全性の確保やルールづくりや現在の
暮らしとの調和等、シェアリングエコノミーが抱える課題も存在します。


世界におけるシェアリングエコノミー市場は、2025年には約3350億ドル規模
にまで拡大すると言われています。
日本においても海外発の事業者等によるシェアリングサービスの提供が一部で開始
されており、対応が必要となっています。

  ◆民泊への対応
 近年、インターネット上の民泊マッチングサービスが世界各国で展開されており、
我が国でもこうしたサービスを利用した民泊サービスが急速に普及しています。
急増する訪日外国人観光客のニーズや大都市部での宿泊需給の逼迫状況等に対応する
ため、民泊サービスの活用を図ることが重要であり、その活用に当たっては、公衆
衛生の確保や地域住民等とのトラブル防止に留意したルールづくり、無許可で旅館業を
営む違法民泊への対応が急務であることから「住宅宿泊事業法案」を成立させました。
   ◆カーシェアリングへの対応
 レンタカー型カーシェアリングにおける乗り捨て(ワンウェイ)方式に関する法整備を
おこなったことにより、乗り捨て(ワンウェイ)方式によるレンタカー型カーシェア
リングの導入車両数は2014年度末160台に対し、2015年度末は460台と
約3倍にまで増えました。


また、より一層の社会実装のため、2016年度には「道路空間を活用した小型
モビリティによるカーシェアリング社会実験」や「高速バス& カーシェアリング社会
実験」を行っています。

  ◆ライドシェアへの対応
 自家用車を用いた「ライドシェア」(相乗り)については、運行管理や車両整備等に
ついて責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う
形態を前提としており、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、
利用者の保護等の観点から問題があり、慎重な検討が必要です。
なお、自家用車を用いたライドシェアについては、ドイツ、フランス、英国、韓国等に
おいて禁止されています。


一方で日本において社会的に受容される合法な旅客運送サービスにおいて、ICTの活用に
よる利便性や生産性の向上を図ることは重要であると考えており、タクシーにおける
スマートフォンの配車アプリの活用による「運賃事前確定サービス」や「相乗り
サービス」等の新たなサービスの実現に向けた実証実験に必要な経費を2017年度
予算案に盛り込むこととしています。

 ■耐火性のある木質部材等
 木材は再生可能な循環型の資源であり、住宅、建築物等への木材利用は、森林の活性化
を図り、地方創生や地球温暖化対策の観点からも重要です。
公共建築物は展示効果やシンボル性が高いことから、公共建築物を木造で建築すること
により、木材利用の重要性や木の良さに対する人々の理解を深めることが期待できます。
公共建築物に重点を置いて木材利用を促進する「公共建築物等における木材の利用の
促進に関する法律」が、2010年10月に施行されました。
また2000年の建築基準法改正による建築基準の性能規定化も端緒となり木造建築の
需要や期待が高まってきており、様々な事業者が現在、木質部材の開発に取り組んで
きています。

 ■ LNG バンカリング(燃料補給)拠点の形成
天然ガスは重油と比較して、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量が少なく
環境性能が優れており、既に陸上においては、世界的に石油から天然ガスへの燃料転換が
進展しています。

日本は世界最大のLNG 輸入国であり、横浜港に隣接して既存のLNG 基地が多数立地して
いること、魁の運航や同船に対してのLNGバンカリングを開始していることなどの
優位性を活かし、シンガポールと連携し、LNGバンカリングの主導権を握って推進して
いくことを検討しています。

国土交通省では、「作業船LNG 燃料化技術検討委員会」を、新たに立ち上げ、作業船の
うち海洋環境整備船をモデル船としてLNG燃料化を検討する方針を確認し、LNG 燃料設備
の搭載に係る課題及び設計条件等について検討を行いました。


日本の港湾へのLNG燃料船の寄港を増大させることで、我が国港湾の国際競争力の強化、
ひいては日本のの経済成長に貢献することが期待されています。

★第2章、第2節のここまで、国土交通分野における新たな技術、サービスの社会実装の
取組みについて、大まかに見てきました。
こうした資料に目を向けることで、日本における国土交通行政のについての理解が深まった
のではないかと思います。

次回は、第3節、課題と今後についてのテーマで、これまでの最終まとめとなります。

「国土交通白書」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h28/index.htmlを加工して作成。

2017年8月31日木曜日

国土交通白書のヨミカタ⑧

イノベーションに関わる取組みは、まだまだ続きます。

■インフラメンテナンス国民会議
 国土交通省では、2013年を「メンテナンス元年」と位置づけ、翌年には、国土交通省
インフラ長寿命化計画 を策定し、インフラの老朽化対策に取り組んでいます。
この計画を実施するためには、インフラメンテナンスに係るトータルコストの縮減・平準化を
図るなどして戦略的なメンテナンスに取り組むことが必要です。

さらに、この取組みを加速化させるため、産学官民が一体となって技術や知恵を出し合い
メンテナンスに取り組むインフラの維持管理・更新に社会全体で取り組むためのプラット
フォームとして、2016年11月に「インフラメンテナンス国民会議」が設立されました。

国民会議には、建設分野に限らず、情報通信技術、ビッグデータ解析、材料、加工技術など
様々な業種の企業や、地方自治体、NPO 等が参画し、オープンイノベーションの手法を
用いて、会員が具体的な関心事項や課題について情報交換しながら議論を深め、技術開発
や課題の解決策の方向性を見出す公認フォーラムを設置しています。


また「革新的河川管理プロジェクト」ではIT、航空測量技術等の最新技術をオープン・イノ
ベーションの手法によりスピード感をもって河川管理への実装化を図り、河川管理及び
災害対応の高度化を図ることを目的に実施しています。

第一弾として、
①陸上・水中レーザードローン
②クラウド型・メンテナンスフリー水位計
③全天候型ドローンの実用化
に向けたオープン・イノベーション参画に関する公募が行われ、2016年12月、2017年
1月にピッチイベントを開催し、2017年3月には、①:3チーム、②:12チーム、
③:2チームの開発チームが結成され、早いものは2017年4月から現場で試験的に計測を
行うなど、スピーディーな現場実装を目指しています。



このように産学官民のオープンな議論の場を促進する取組みによって、企業連携や官民
マッチングによる現場試行が徐々に進んでいます。

 ■気象ビジネス市場の創出
IoTやAI等の技術の進展により、幅広い産業において気象データを利用した生産性の
飛躍的な向上が見込まれています。
例えば、一般の人から写真を提供してもらうことで予報に活かしたり、気象情報だけでなく、
早さ、燃費の少なさなどを考慮し、運ぶ物の特性や業界の状況を鑑みながら、ルーティング
サービスまで併せたサービスを海運・航空・鉄道事業者へ提供するなど、様々な分野に
おけるサービスの下支えを担っています。

2017年3月には、産業界と気象サービスのマッチングを行う「気象ビジネス推進コンソー
シアム」を立ち上げ、IoTやAI 等の先端技術を活用した新たな気象ビジネスの創出・活性化
を推進しています。


また、気象庁では、同庁の保有する情報やデータについてオープンデータの取組みを
行っています。
2013年5月には天気や気温の変化がもたらす「気候リスク」を定量的に把握し、リスクの
軽減やビジネスチャンスに活かすための専用サイトを開設しました。

サイトでは企業や農家が気候リスクへの対応にデータを活用しやすくなるよう、天候が
商品の売上や農産物の育成とどう関連するかを分析する方法や、実際の対応例などを
紹介しています。

また、全国各地の過去の観測データについて、期間を指定してダウンロードできるほか、
2週間先及び1カ月先の気温予測データも取得できるようにしています。
今後、訪日外国人旅行者等に提供する気象情報の環境整備として、各種情報に用いる
予報区GIS(地理情報システム)データの作成・公開を行い、気象情報や多言語化等を
進める予定です。

これらは、2020年までにGDP 押上効果2000億円を実現することを目標としながら、
気象関連分野におけるオープンイノベーションやオープンデータの取組みを進めています。

 ■交通関連ビッグデータを活用した新たなまちづくり(スマート・プランニングの推進)
 これまで都市計画の分野では、人口分布や施設立地状況等のデータによる静的な
分析に基づいて公共施設等の立地検討が行われてきました。


一方、近年は、スマートフォンを活用したGPS データやWi-Fiデータ等を用いて、個人単位の
移動データを取得するといったビッグデータによる動的な分析」可能となる環境が整いつつ
あります。
このような交通関連ビッグデータを活用し、人の属性ごとの行動データをもとに、利用者の
利便性や事業者の事業活動を同時に最適化する施設立地を可能とする「スマート・プラン
ニング」の開発に取り組んでいます。

 ■高速道路を賢く使う料金
首都圏の高速道路の料金体系については「首都圏料金の賢い3原則」に従って、料金体系の
整理、統一起終点を基本とした継ぎ目のない料金の実現、政策的な料金の導入が必要と
されています。

新たな高速道路料金導入後、都心通過から外側の環状道路へ交通が転換し、都心通過
交通は約1割減少(東名高速、東北道間の都心通過は約5割減少)しました。
この結果、首都高速の交通量は約1%減少し、渋滞損失時間は約1割減少しています。

また、ネットワーク整備進展と料金水準引き下げにより、圏央道利用が促進され、圏央道の
交通量が約3割増加するとともに、圏央道沿線の物流施設の新規立地も約4.6 倍に増加
するなど相乗効果も出ています。


近畿圏の高速道路についても、より効率的に賢く使われるよう、料金水準を現行の高速
自動車国道の大都市近郊区間を基本とする対距離制を導入し、車種区分を5車種区分に
統一、また、今後のネットワーク整備の財源確保などの観点を踏まえた新たな高速道路料金
体系を導入することとしています。

 ★わたしたちの生活にも、大きく関わるテーマが沢山ありますね。
ますます便利になっていく事と日本の経済成長が繋がっていることは、とても興味深いです。

「国土交通白書」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h28/index.htmlを加工して作成。

2017年8月30日水曜日

国土交通白書のヨミカタ⑦

ここまでは、建設分野のイノベーションについてでしたが、建設以外の分野に
ついても、見ていきましょう。

 ■クルマのICT革命
 現在、交通事故の96%は運転者に起因していると言われており、テレビのCMでも
良く目にする「自動運転」には大きな効果が期待されています。
その効果としては
・交通事故の削減、渋滞の緩和
・少子高齢化による公共交通の衰退等への対応
・国際競争力の強化等の自動車交通を巡る諸課題の解決
などが、挙げられます。

また、自動運転技術の実用化によって、
・安全性の向上
・運送効率の向上、
・新たな交通サービスの創出
などが図られて、大幅な生産性向上に繋がるのでは、と強く期待されています。



現在、自動運転の実用化に向けて、各国がレーダー、カメラ、レーザースキャナーや
車両技術の向上を様々な事業者や政府が一体となって研究開発・実験を行うとともに
ルールの整備やシステムの実証を進めています。

特に、目新しく感じたのが
・2022年度以降における高速道路(東京~大阪間)での「トラック隊列走行技術」
 (後続無人隊列走行)の事業化
・2020年度の無人自動走行による移動サービス等の事業化
を、それぞれ目指し、2018年1月から後続車有人での実証実験や、経済産業省と
連携して、ラストマイル自動走行に取り組む予定です。


こうした取組みによって、自動運転が実用化し、高齢者などの移動弱者の移動手段の
確保や、公共交通の補完、ドライバー不足の解消や技術・ノウハウに基づく国際展開
などが期待されています。

 ■物流生産革命
 近年の日本の物流は、トラックドライバー等の人手不足が深刻化している一方で、
トラックの積載率が4割程度まで低下するなど様々な非効率が発生しています。
将来の労働力不足を克服し、経済成長に貢献するため、物流の大幅なスマート化を図る
物流生産性革命 を推進しています。

具体的な構想としては
・改正物流総合効率化法の枠組みを活用したモーダルシフト
・共同輸配送等の促進
・宅配便の再配達を削減するためオープン型宅配ボックスの導入促進
・小型無人機による荷物配送の実現に向けた物流用ドローンポートシステムの開発支援
特に、付加価値の向上に関しては、現在、物流システムの国際標準化の推進を通じた
日本の物流事業・物流を考慮した建築物の設計・運用についての関係者への周知などに
取り組んでいます。


また、世界に目を向けるとサプライチェーンのグローバル化が進み、物流需要が拡大
する中で日本の物流事業者の海外展開を支援するためには、物流システムを国際標準化
し、市場のスタンダードを早期に獲得していく必要があります。


これらの国際標準化の取組みは、
・世界各国でコールドチェーン物流を安全・安心に利用できる環境を整える。
・人々の生活の利便性向上
・中小企業のビジネス支援
・電子商取引の発展や農水産物、医薬品等の市場拡大
などへの貢献が期待されています。

 ■海事生産性革命
 海事分野においては、「i-Shipping」と「j-Ocean」という2つの大きなテーマがあります。
・i-Shipping・・・造船業の生産性向上と燃料のムダ使い解消・故障ゼロの運航を目指す取組み
・j-Ocean・・・海洋開発市場の成長を我が国海事産業が獲得することを目指す取組み
これら両輪により、強い産業、高い成長、豊かな地方を目指す「海事生産性革命」を
推進しています。


日本の造船業は、1956年以降2001年まで、建造量世界1位、シェア最大50%超を
占めていましたが、中国や韓国の台頭により、現在世界3位、シェアは約20%まで落ち
込んでいます。
こうした現状を受け、i-Shippingでは、情報通信技術等を活用して船舶の開発・設計から
建造・運航に至る全てのフェーズにおいて生産性を向上させ、競争力強化を図るとしています。


また、海底油田・ガス田等の海洋開発分野は、中長期的に拡大する見込みであり、日本の
海事産業(造船業、舶用工業、海運業等)にとって重要な新しい市場であり、j-Oceanでは、
この分野の船舶等の設計、建造から操業に至るまで、幅広く技術力、生産性等の向上を図る
ことにしています。

★これらの取組みを見てみると、成長が見込める分野や産業が更なる発展が出来るよう
国土交通省が後押しをしていることが、良く分かります。

「国土交通白書」(国土交通省)
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2017年8月29日火曜日

国土交通白書のヨミカタ⑥

では 、イノベーションの取組みについて、具体的な内容に迫っていきましょう。

●2.イノベーションに関わる取組み
 ■i-Construction の推進
 現在、建設現場で働いている職人さん約326万人(2016 年時点)のうち
55歳以上が約1/3を占めており、今後10 年間で高齢化等により離職する可能性が
高いことが想定されています。

また、建設業では高齢者の大量離職の見通しとともに、若年技能労働者の離職率の
高さが懸念されています。


企業及び建設業離職者への調査によると、離職の理由のそれぞれ上位8つのうち、
共通する項目として、下記の4つが挙げられています。
・「休みがとりづらい」
・「作業に危険が伴う」
・「労働に対して賃金が低い」
・「ひと月の仕事量によって賃金額が変動する」


これらの実態を踏まえ、国土交通省では、今後到来する労働力人口の減少に向けて、
劇的な進展を遂げるICT などを活用しながら、建設業が生産性を高めながら現場力を
維持できるような取組みを進めています。

 建設業は「社会資本整備の担い手」であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う
国土保全上必要不可欠な「地域の守り手」であり、人口減少や高齢化が進む中にあっても
建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに、生産性向上が必要
不可欠です。

そこで、国土交通省では、調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までの
建設生産プロセス全てを対象としてICT 等の新技術を活用する「i-Construction」を
推進し、建設現場の生産性を2025年度までに2割向上させることを目指しています。

2016年度はトップランナー施策として3つを挙げ、推進しました。
①切土や盛土といった工事へICT を活用する「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」
②コンクリート工の規格の標準化等の「全体最適の導入」
③2カ年国債の活用やゼロ国債の設定などによる「施工時期等の平準化」


2017年3月までには584の工事でICT 土工が実施されました。
岐阜県のある道路建設工事では、施工者がICT土工に積極的な取組みを行っており、
ドローン測量の検証や、マシンコントロールバックホーによる切土法面成型などを実施
しました。


本工事では、UAVやICT建機の活用による成果を挙げています。
・測量日数の短縮を初めとして工期が大幅に(36日から7日へと約30日)短縮した。
・経験の浅いオペレーターでも高精度に仕上げることが可能になった。
・測量及び法面整形時の機械化で作業員が法面から滑落事故などの危険性が無くなった。
このQCDSの成果をみると、まさに良いこと尽くめのようです。

さらに、様々な分野の産学官が連携して、IoT・AI などの革新的な技術の現場導入や
3次元データの活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を
創出するため「i-Construction 推進コンソーシアム」を2017年1月に設置しました。



そして、今後もICT の活用工種の拡大やCIMの導入、i-Constructionコンソーシアムの
WG活動等を通じた建設現場への新技術の実装や更なる普及・促進施策の充実等により、
・「給与が良く」
・「十分な休暇が取得でき」
・「将来に希望が持てる」
魅力ある新たな建設現場の実現を目指す、としています。

ここまでを見ると土木分野が主体になっていますが建築分野においても官庁営繕事業での
BIMの導入の効果や課題を効果の検証するため、22年度から導入の施行をしています。

そして、これらの結果も踏まえ、官庁営繕事業におけるBIM を利用する場合の基本的な
考え方と留意事項を
「官庁営繕事業におけるBIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン」として
取りまとめ26年度からは、ガイドラインを適用したBIM 導入事例の蓄積を図っています。

★わたし自身も建築分野に身を置いていますが、ここ近年、BIM がとても身近になってきた
ことを強く感じています。

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2017年8月28日月曜日

国土交通白書のヨミカタ⑤

第Ⅰ部、第2章です。

第1章では、イノベーションの現状と歴史を中心に見てきましたが、第2章では、
イノベーションの取組みと課題について書いています。
イノベーションについては3つの章立てになっていますが、第2章はわたしたちにとって
最も身近な話題も盛り沢山となっています。
その中でも特に興味深いものをピックアップして取り上げていきたいと思います。

第2節
●1.国土交通省の政策
 昨年2016年は、生産性革命元年と言われています。
人口減少に伴う供給の制約や人手不足を克服する「生産性革命」を強力に推進して
いく必要があります。
そこで国は、日本再興戦略2016(閣議決定)で示しているように、Iot、AI、
ビッグデータ、ロボット、センサーの技術的ブレークスルーを活用していく事が最大の
カギです。

国土交通省においては、技術研究開発の推進、技術の効果的な活用、技術政策を
支える人材の育成などの重要な取組み、新たな国土交通省技術基本計画を今年、
3月に策定しました。

 ■生産性革命プロジェクト
 国土交通省では、2016年3月に設置した「国土交通省生産性革命本部」のもと
省を挙げて生産性向上などに向けた取組みを進めることとし、これまでに20の
先進的な「生産性革命プロジェクト」を選定、推進しています。


ここでのポイントです。
「小さなインプットでできるだけ大きなアウトプットを生み出す」

そして、こうした観点から
①新技術の開発や社会実装の推進
②既存ストックの徹底的な活用
③制度やその運用の見直し
といった工夫が講じられているものを選定しています。

 ■ 国土交通省技術津基本政策
 国土交通省は、国土交通行政における技術開発等を含む技術政策の基本的な
指針として、2021年度までを計画期間とする新たな、「国土交通省技術基本計画」を
策定しました。


この新たな計画は3つの柱があります。
①「人を主役としたIoT、AI、ビッグデータの活用」
②「社会経済的課題への対応」
③「好循環を実現する技術政策の推進」

これらを掲げ、新たな価値の創出により生産性革命、働き方改革を実現し、持続
可能な社会を目指そうとしています。

次回は、具体的な取組みについて考えていきたいと思います。

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2017年8月25日金曜日

国土交通白書のヨミカタ④


第Ⅰ部、第1章の最終の第3節、イノベーションの歴史です。

まず、交通や輸送、通信などの進化についてです。

◆陸上交通日本では、1964年に東京・大阪間の輸送力向上に向けて、新幹線が
登場し、日帰り出張が可能になりました。


日本の新幹線の成功は、その後の世界各国での高速鉄道のきっかけにもなりました。

道路についても、高速道路網が整備され、2001年にはETCが導入されました。
2015年には、ETC2.0が導入され、運転支援と言う新しいサービスの提供が開始
されました。
現在、ETC2.0はビッグデータを活用して渋滞と事故を減らすなど、道路を賢く使う
取組みを推進しています。

◆海上交通
1967年に日本に初めてコンテナ船が就航しました。
そして現在、船舶外易定期輸送の9割がコンテナ化したと言われています。


 ◆航空交通
1970年にジャンボジェット機が登場して以降、旅客としての飛行機が身近なものと
なり、2012年にはLCCの登場により、賢く使うための利用環境が進化を遂げており、
出張や旅行をはじめとする海外との交流が増加しています。

◆スマートフォン
スマートフォンにより従来の携帯電話機能に加え、PC用のウェブサイト閲覧による
情報収集が可能になりました。

そして、2008年、iphoneの登場によりスマートフォンの普及が大きく進みました。
2015年末の普及率は72%までになっており、年々普及率は高まっています。


ある民間調査によると、大学生のほとんどがPCスキルは必要だと思っているけど
7割の学生は自分のPCスキルに自信が無い、と回答しているそうです。
そういった学生でも、スマートフォンは自分の思うまま使いこなしているという現実
があります。
また、アプリの開発、導入によってスマートフォンの普及は、関連する産業の創出や
成長にも大きく繋がっています。

◆電子商取引
インターネットによる利用拡大で電子商取引市場は右肩上がりで成長を続けています。
おなじみのアマゾンでは、商品に関する意見や感想をサイト上に自由に投稿、閲覧が
出来るレビューやおすすめ商品が表示されるサービスを提供していますが、独自の
アルゴリズム技術による効果は、アマゾンの売上高の35%を占めるそうです。

また、最近ではロボット在庫管理システムによって、倉庫や物流センターにおける
作業員不足を補完できるなど、物流システムの進化を続けています。


◆コンビニエンスストア
今でこそ当たり前にお世話になっているコンビニにも、歴史があります。
1970年代、スーパーマーケットの売上高は百貨店を抜き、小売業界の最大のシェアを
占めるようになりました。

その後、中小小売店舗法が制定され、さらに大型チェーンストアの出店規制や
営業時間規制がなされた大規模店舗小売法が制定されました。
これらを受けてコンビニはフランチャイズ方式を導入し、長時間営業、年中無休と
いう独自の経営を行い、現在まで店舗数を増やし続けてきました。


◆自動改札機
日本で始めて自動改札機を導入したのは、1927年に開業した東京地下鉄道
(現在の東京メトロ銀座線)です。
当時は10銭硬貨を入れるとロックが外れ、腕木を押すと1人だけが通れるといった
仕組みでした。
それから進化を続け、現在ではICカードによる自動改札機が導入され、利用者は
より迅速、快適に異動することが可能になっています。


★こうして、日本のイノベーションの歴史を振り返ってみると、今では自分の回りで
当たり前になっていることも、長い年月を経て進化して来たことが分かります。
その中でも、スマホ、インターネット、通販などは急激な進化を遂げた分野は、
産業の革命、まさにイノベーションであると感じます。

「国土交通白書」(国土交通省)
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2017年8月24日木曜日

国土交通白書のヨミカタ③

第Ⅰ部の続きです。

イノベーション政策において日本は、世界の中でどんな位置付けにいるかというと、
常に上位の立場を維持してきました。


 イノベーションのランキングが高いと言うことは、ものづくり分野での国際競争力が
強いということでもなります。

また、Iot、ビッグデータ、AI、ロボット、センサーなど第4次産業革命のキーとなる
個々の分野で、日本は最高レベルの技術力を有していることは大きな強みです。

特に産業用ロボットでは世界のシェアの約20%を占めており、第1位です。


こうした日本の強みがある反面、弱みもあります。
人材の不足が課題です。
ICTの進展の中、データ処理、データ可視化、データ解析に習熟する人材のニーズが
世界的にも高まる中、日本では減少傾向にあるようです。


次に企業側の課題です。
企業の研究開発は盛んに行われていますが、自前(自社)主義からの脱却が遅れている
ため、研究開発投資が企業収益に繋がっていません。


特に、建設業においては他の産業と比べて、売上高に対する研究開発投資の割合が低い
と言われています。

そして、企業側の意識を見てみると、Iot、ビッグデータ、AIの活用状況はどの産業を
見ても活用に向けて前向きなのは、全体の20~30%と低調です。


★日本のイノベーションの現状を振り返ってみると、ものづくりにおける技術力は最高
レベルを持っており、更に生かしていくことが必要です。
 また、今後に向けては、必要な人材の育成やIot、ビッグデータ、AIの活用の推進が
強く求められるようです。

「国土交通白書」(国土交通省)
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