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2017年3月9日木曜日

遮音壁、内装材(吸音性能)の選定方法

今日は建物の音響に関する話しです。
実際にはもっと複雑になりますが、解りやすく基本的な内容としました。 

建物(部屋)の音響性能は基本的に下記の3つの要素で決まります。

NC値(室内の騒音値)

D値(遮音性能)

残響時間

NC値は室内の騒音値で下図のように部屋用途により設定されます。
表にあるdB(A)はA補正をかけた騒音レベルです。
人間の聴覚では同じdB(同じ音圧やエネルギー)でも周波数によって
音の大きさが違って聞こえます。
これを聴覚的に同じ大きさの音は同じ値になるように補正したものがdB(A)です


D値は下記の関係になります。
発生する音-聞こえてくる音=遮音性能

85dBの音が発生する機械室との間にD-65(タイガードリーミィ・65程度)の
遮音壁を設けると、聞こえてくるのは20dBになるので、
ほとんど聞こえないレベルになります。
上記の考え方により遮音壁を選定します。

残響時間は天井、床、壁の合計面積に対して、どれだけ吸音力の
ある材料が使われているで決まります。
大きなコンサートホールでは残響時間が2秒程度になるように設計されますが、
事務所で残響時間が2秒もあると洞窟で話しをしているように聞き取り辛くなります。
事務所でデッキ表しのスケルトン天井があまりなく、
岩綿吸音板を張っているのはこのためです。




部屋用途から適切なNC値と残響時間を設定し、隣り合う音源から壁の遮音性能、
室内の仕上で残響時間を決める必要があります。


五感に支障がある建物は不快になりますよね。
根拠をもって決めていたいと思います。

sakamoto

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