PC版(プレキャスト・コンクリート) は建物の外壁や床版など建築生産の工業化として
よく採用されています。ここでアリーナの観客席床PC版を例に、計画の意図からPC版を
確定していく考え方の流れをご紹介します。
①観客席の椅子のタイプ、大きさを確認
各観客席のグレード毎に、近年の人の体形や快適な観覧席の大きさが考慮された
前後左右の座席寸法になっているかを確認。
②それぞれのグレードの客席のエリアを確認
高額な料金の観客席が良い眺望の場所になっているか、他のグレードとの差異が明確で
あるか等を確認。
③通路・階段の幅・高さを確認
各観客席に通じる通路・階段の幅が基準を満たしているか確認
階段の寸法も一定の蹴上寸法となっているか確認。
④それぞれの席からのサイトラインを確認
各基準などから各観客席のサイトラインが確保されているかを確認。
(一般社団法人アリーナスポーツ競技会 「アリーナ標準」による)
⑤PC版の割付を確認
1枚のPC版に何席が乗るかで総人数の重量を確認。
階段をPC版の上にコンクリートで制作する場合は重量がかさむため、割付で階段を
含むか否かを確認。
⑥PC版の種別の確認
⑤によるPC版強度による違いや形状の違いで何種類のPC版があるかを確認。
⑦ファスナーの種類を確認
PC版の種類により総荷重が変わる。荷重が変わるとファスナーの種類も変わるため
ファスナーの強度を確認。
⑧鉄骨受け梁の確認
受け梁のメンバーがPC版の総荷重に耐えうる強度になっているかを構造確認。
PC版と梁のクリアランスがファスナーを設置できるクリアランスとなっているか確認。
⑨ファスナー架台の確認
架台がPC版の総重量に耐えうる強度となっているかを構造確認。
架台の高さによる梁のねじれのが考慮されているかを構造確認。
PC版の種別やファスナーはある程度共通化されている場合もありますが、一番条件の
悪い部分が想定範囲か否かを確認するこが大切ですね。
T.F
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