コンクリートの収縮変形の要因として一般的には
①コンクリートの乾燥収縮
②セメントの水和熱による温度変化
③気温の変動に伴う温度変化
が挙げられますが、
その中で、セメントの水和熱による温度変化に起因する
有害なひび割れはマスコンクリートの場合に検討します。
マスコンクリートの定義は、
「マスコンクリートの温度ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」
(日本建築学会2008.2 発行)で、部材断面の最小寸法が大きく、
かつセメントの水和熱に起因する温度上昇によって有害なひび割れが
発生するおそれがある部分のコンクリートのことをいう。とされて、
厚さの大きいベタ基礎(マットスラブ)のことなのですが、
解説文では、有害なひび割れが発生する目安となる部材寸法は、
壁の場合80 ㎝程度であるが、
コンクリートが富調合である場合や、外部からの拘束が極めて大きい
場合などでは、それ以下でも注意が必要であると記述されています。
つまり壁であっても壁厚が厚い場合は注意が必要ということです。
外部からの拘束が極めて大きい場合というのは、
壁の高さと長さの比率の影響が大きく、比率(壁高さ/壁長さ)
が小さいほど拘束度が大きくなります。
このように、壁より先行打設されたマットスラブ厚が大きく
長い壁が拘束されている場合は注意が必要です。
MK
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