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2017年9月4日月曜日

国土交通白書のヨミカタ⑩

イノベーションのまとめとなる、第3章です。

◆2050年における国土交通分野の未来予想図
第3章では、国土交通分野における未来の社会環境を、2050年を目安として
予想しています。

1.国土、インフラ整備
2050年の社会では、高速道路ネットワークやリニア中央新幹線等の基幹的な
交通インフラが整備され、都市間の時間的な距離は、より短くなっています。


地域内ではコンパクトシティの取組み等により、徒歩や公共交通による移動で生活に
必要な機能が全て揃っています。


さらに、ICTの発達により、テレワーク等の場所や時間の制約が少ない働き方が
広がったことや、自宅で医師による診療を受けること等も可能となり、居住地に
求める条件が大きく変わってきます。

気候の変動等により災害の頻度や種類は多様化していますが、人工衛星や地滑り等を
検知するセンサを活用した観測やAI による分析等により、豪雨や土砂災害等の
災害予測の精度が向上したことや、情報を伝えるインフラも整備されたことで一層迅速に
事態を把握し、防災・減災の対応に取り組むことが可能となっています。



一人ひとりの災害に対する意識も高まり、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)を利用
した避難訓練等の実施も強化されており、どの段階でどのように行動すべきかを
具体的に把握し、防災がより身近なものとなっています。

都市のコンパクト化により、維持・管理を優先するインフラが整理されたことや、
日々のインフラの点検業務やデータ収集にAI を搭載したドローンやロボットが活用
されたことで、効率的な維持・管理が可能になります。


また、修繕を行うタイミング等の判断も定量的かつ適切に行われるようになり、
どの地域のインフラも良好な状態を維持しています。

2.交通
高速交通網の整備は、移動に関する制約を小さくし、より活発に、より遠くに旅行
することや、遠隔地にいる家族や友人に気軽に会いに行くことができるように
なります。

AI 技術の活用により精度の高い翻訳・通訳サービスが提供され、日本と世界の
言葉の壁は消え、日本人が海外旅行に行く機会や、日本に訪れる外国人旅行者も
増加します。


利用者数や移動ニーズ等のデータを収集し、AIが分析するとともに、自動走行車を
活用することで、利用者数やニーズに応じた最適な交通網の形成が可能となります。

従来の自動車の概念にとらわれず、個人のライフスタイルに合った多種多様な
モビリティ(移動手段、乗り物)が存在し、使い方も所有・シェアと様々です。


そのモビリティも自動運転技術により交通事故が大幅に減少し、安全性の高い便利な
乗り物となっています。

3.暮らし方(住環境や働き方)
ワークスタイルについては、テレワークの普及やVR 技術を利用して遠隔地にいても
会議に参加すること等が可能になり、働く場所や時間を気にせず働くことができる
ようになります。
仕事を行う場が従来の職場から、自宅や自宅近くのサテライトオフィス等に変化した
ことで自宅近くで日常の買い物を行うことが増えるなど、消費活動を行う場も変化
しています。
また、自宅で仕事を行う人が多く、仕事とプライベートをうまく切り替えることのできる
環境を整えるなど、思い思いの空間を作る人が増えています。


各家庭や地域で太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備や蓄電設備が
完備されています。
また、発電量やエネルギーの利用量が地域全体で管理され、エネルギーのシェアも
行われています。
各家庭が所有するモビリティは蓄電池の役割も持ち、災害時には非常用電源として
活用されます。


以上は、予想されるひとつの未来の姿です。

★国土交通行政は、その時々の時代の要請に応じた取組みを着実に実施していくと
ともに、時代を先取りした取組みを産み出すための自らのイノベーションに果敢に
挑んでいくと結んでいます。

2050年といえば、まだまだ30年以上も先ですが、現在の見えている可能性を
考えると、現実味のある 未来予想図 だと感じました。

こんな夢のある未来ならとても楽しみです! 

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