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2018年5月9日水曜日

海岸沿い建物で塩害が影響する条件

先回は海岸沿い建物で塩害を考慮する方向性(建物面)について
書きましたが、更に掘り下げて見てみましょう。

塩害の影響を受ける壁面の中でも実際に発錆する部分と発錆しない
部分が存在します。

その状況を理解するために塩害メカニズムを段階的に追ってみます。

①海沿岸部で強い風が吹く(台風、季節風など)
②強風による波浪でしぶきが飛散する(海水の塩分)
③飛散したしぶきが強風で空中を移動しながら水分が蒸発する
④水分が蒸発した後の海塩成分が建物に到達して外壁面に付着する

よって、海岸からの距離が近い建物ほど壁面に海塩成分が多く付着
すると考えられます。

では付着した海塩成分がすぐに錆を発生させるかといえばそうでは
ありません。
なぜなら雨が降れば壁面の海塩成分が洗い流されるからです。

そこで、どんな条件下で錆が発生するのか?
 「秘技!現地現物確認」の出番です~♪

















海岸から約100mほどにある港湾施設の外壁で錆が出ています。
軒天(小庇)があり、その直下は降雨の影響を受けません。


















正面から見れば雨がかかる範囲とそうでない範囲の違いがはっきり分かる
と思います。

さて今回で押さえておきたいポイントは、
「海岸沿い建物の塩害を考慮すべき面でも付着した海塩成分が除去されれば
 腐食の進行は軽減する」でした。

by MK

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